このツールは、「毎日0.01%ルール」(投資家・著述家 Nick Magguilli が提唱)をもとに、あなたの現在の資産から「今日いくら自由に使えるか」と「いつセミリタイアを達成できるか」を同時に可視化するシミュレーターです。
一般的な複利シミュレーターと異なり、毎日の生活費として取り崩すコストを計算に組み込んでいるため、「5%で増え続ける」という非現実的な前提を排除しています。スライダーを動かすだけで、今日の豊かさと将来の自由のトレードオフをリアルタイムで確認できます。
このシミュレーターでできること
セミリタイアメーターは、「いま持っている資産と、これから積み立てる金額で、何年後にセミリタイアの条件が整うか」を月単位で計算するツールです。一般的な複利計算機と違うのは、毎日の取り崩しを計算に織り込んでいる点です。資産が増えれば取り崩せる額も増える、という前提で組み立てているため、「いくら貯まれば上がれるか」ではなく「毎月いくらの上乗せ収入を資産から取り出せるか」という角度から到達時期を出します。
3ステップの入力
- STEP1|いまの資産 リスク資産(株式・投資信託など)と無リスク資産(預貯金など)を分けて入力します。
- STEP2|目標 「かんたん」は毎月いくら資産から上乗せしたいかを直接入力。「詳細」は希望する生活費と労働収入の差額から自動で計算します。
- STEP3|結果 到達までの月数・そのときの年齢・必要な資産額・資産推移のグラフが出ます。積立額を増やした場合の短縮効果も同時に確認できます。
算出ロジックと前提仮定
1. 取り崩しのルール(0.01%ルール)
このツールの土台は、Nick Maggiulli『Just Keep Buying』で紹介されている0.01%ルールです。「毎日、リスク資産の残高の0.01%までなら使ってよい」という考え方で、残高に対する率で決めるため、資産が増えれば使える額も増え、減れば自動的に絞られます。
年に換算すると 0.01% × 365日 = 3.65%。よく引き合いに出される4%ルール(Trinity Study, 1998/30年間の安全引出率 年4.0%)より、やや保守的な水準にあたります。
2. 必要な資産額の求め方
【かんたんモード】 1日あたりの目標額 = 月の上乗せ目標額 × 12 ÷ 365 必要リスク資産額 = 1日あたりの目標額 ÷ 0.0001 【詳細モード】 ギャップ = max( 希望する生活費 − 労働収入, 0 ) 調整後ギャップ = ギャップ × 1.15 ※社会保険料等を見込む設定がONのとき 必要リスク資産額 = 調整後ギャップ × 12 ÷ 365 ÷ 0.0001
3. 資産の増え方(2フェーズモデル)
目標額に届くまでの「積立フェーズ」と、届いたあとの「セミリタイアフェーズ」で、資産の伸び方を分けて計算しています。
【積立フェーズ】 月利 = ( 想定年利 − 3.65 × ( 1 − 再投資率 ÷ 100 ) ) ÷ 100 ÷ 12 【セミリタイアフェーズ】 月利 = ( 想定年利 − 3.65 ) ÷ 100 ÷ 12 【無リスク資産】 翌月残高 = 当月残高 × ( 1 + 無リスク資産の年利 ÷ 12 ) + 毎月の積立額
想定年利を既定の5.0%のままにした場合、セミリタイア後の実質的な純成長は 5.0% − 3.65% = 年1.35%になります。取り崩しながらでも資産が目減りしない、というのがこのルールの設計思想です。
4. 前提仮定の一覧
| 項目 | 既定値 | 補足 |
|---|---|---|
| 1日あたりの取り崩し率 | 0.01% | 0.01%ルール。残高に対する率 |
| 年換算の取り崩し率 | 3.65% | 0.01% × 365日 |
| 日→月の換算係数 | 365 ÷ 12 ≒ 30.42 | 1か月を30.42日として計算 |
| 想定年利(リスク資産) | 5.0% | S&P500の長期平均。インフレ調整前 |
| 実質の純成長率 | 年1.35% | 5.0% − 3.65% |
| 無リスク資産の年利 | 0.3% | 画面で変更できます(後述の注意あり) |
| 取り崩し分の再投資率 | 0% | 取り崩した分は使い切る前提 |
| 計算する最長期間 | 600か月(50年) | 超えた場合は「到達せず」と表示 |
このシミュレーターが扱っていないこと
- 税金・社会保険料を個別に計算していません。詳細モードの「×1.15」は、国民健康保険料や国民年金保険料をまとめて15%上乗せする概算です。実際の負担は住む自治体と前年所得で変わります。
- 暴落の順番を考慮していません。想定年利で毎月一定に増える決定論的な計算です。取り崩しを始めた直後に大きく下落する「シークエンス・オブ・リターン・リスク」は表現できません。
- インフレを明示的に扱っていません。想定年利5.0%はインフレ調整前の数字です。物価上昇を織り込むなら、想定年利を実質ベース(例:3%前後)に下げて試算してください。
- 公的年金を資産に含めていません。受給開始後の収入は計算に入っていないため、60代以降は実際より厳しめの結果になります。
- 無リスク資産の年利の初期値0.3%は、現在の預金金利より低い値です。2026年9月時点でネット銀行の普通預金は年1.0%前後、1年定期は年1.5%前後まで上がっています。待機資金を多めに持つ前提で試算するときは、この欄を実際の金利に書き換えてください。
- 為替、個別銘柄の値動き、投資信託の信託報酬・売買手数料は考慮していません。
出典
- Nick Maggiulli『Just Keep Buying』(0.01%ルール)
- Cooley, Hubbard & Walz (1998)「Retirement Savings: Choosing a Withdrawal Rate That Is Sustainable」/通称 Trinity Study(4%ルール)
- 預金金利の水準:各金融機関の公表金利(2026年9月時点)
最終更新:2026年9月15日
本ツールの計算結果は上記の前提に基づく試算であり、将来の運用成果を保証するものではありません。投資判断はご自身の責任で行ってください。税や社会保険の個別の取り扱いについては、税務署・年金事務所・専門家にご確認ください。
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