国民年金の給付額推移を徹底解説!2026年度は満額7万円台に到達

国民年金(老齢基礎年金)の給付額が、2026年度(令和8年度)に大幅に変わります。
特に「月額7万円台突破」というニュースで話題になりましたね。

この記事では、新規裁定者と既裁定者の違いも含めて、過去10年以上の推移を表でまとめ、2026年度の変更点や実務的なポイントをわかりやすく解説します。自身の年金見込みを確認したい方にもおすすめです。

2026年度(令和8年度)の主な変更点

  • 改定率:前年度比 +1.9%(4年連続のプラス改定)
  • 老齢基礎年金・満額(月額)
  • 新規裁定者(昭和31年4月2日以降生まれ):70,608円(年額847,300円)
  • 既裁定者(昭和31年4月1日以前生まれ):70,408円(年額844,900円)
  • 増額幅:どちらも前年度比 +1,300円
  • 支給開始:2026年4月分から適用 → 実際の支払いは6月15日(4・5月分)からです。

これは物価・賃金上昇を反映した結果ですが、マクロ経済スライド(少子高齢化調整)で一部抑制されている点に注意してください。

新規裁定者と既裁定者の違い

年金改定では、生年月日によって2つの基準が適用されます。

  • 新規裁定者:主に65〜67歳(当該年度中に68歳に達しない方=昭和31年4月2日以降生まれ)
    → 名目手取り賃金変動率を基準に改定
  • 既裁定者:68歳以上(昭和31年4月1日以前生まれを含む)
    → 物価変動率を基準に改定(ただし物価>賃金の年は賃金に調整)

令和5年度以降、この2つの満額に差が生じ、毎年同じ率で調整され続けています

これから新しく年金をもらい始める人のほとんどは「新規裁定者」基準が適用されます。

老齢基礎年金・満額の推移(月額)

(新規裁定者基準を中心に記載。100円未満は端数処理後)

年度新規裁定者(昭和31/4/2以降生まれ)既裁定者(昭和31/4/1以前生まれ)前年度比(新規)備考
2022年度64,816円64,816円-0.4%同一
2023年度66,250円66,050円+2.2%初の分岐
2024年度68,000円67,808円+2.7%
2025年度69,308円69,108円+1.9%
2026年度70,608円70,408円+1.9%7万円台初到達

傾向
2010年代はマクロ経済スライドの影響でほぼ横ばい〜微減でしたが、2023年度以降は物価・賃金上昇で4年連続増額。初めて7万円の大台に乗りました。

実際の平均受給額は?

満額ではなく、納付期間が短い人・免除期間がある人も含めた全受給者平均
約5万7千円前後(令和5年度実績:約57,584円)です。

男性約59,965円、女性約55,777円程度で推移しています。
(満額の約8割程度)

大事なポイント 

自分の受給額は「過去の納付状況」によって大きく変わります。


未納・免除期間がある方は、今から追納することで将来の年金が月数千円〜1万円以上増える可能性があります。

→ 今の年齢と追納したい納付月数を入力するだけで、追納した場合の年金の増額見込みがすぐにわかります!

年金額はどうやって決まる?

  • 基本額 × 改定率(物価変動率 or 名目手取り賃金変動率)
  • マクロ経済スライドで上昇を調整(未達分は翌年繰越)
  • 毎年1月に厚生労働省が発表 → 4月適用
マクロ経済スライドとは?

厚生年金(報酬比例部分)は2025年の制度改正で調整率が1/3に緩和され、▲0.1%になりました。

・・・一体なぜこんな仕組みが必要なのか?簡単に言うと少子高齢化で現役世代が減り、年金受給期間が長くなることを見越して、年金の給付水準を「自動的に少しずつ抑えるブレーキ」です。

2004年(平成16年)の年金制度改正で導入され、年金財政を将来にわたって持続可能にするための自動調整ルールです。「マクロ(全体)」で見た経済・人口動態に合わせて給付を調整するので、この名前がついています

具体的な計算の流れ(2026年度の場合で解説)

まず基本の改定率を決める 物価変動率(2025年:+3.2%)
名目手取り賃金変動率(+2.1%)
→ 物価>賃金なので、現役世代の負担能力を優先して名目手取り賃金変動率(+2.1%)を採用

ここからマクロ経済スライドで調整
スライド調整率 = 公的年金被保険者総数の変動率(+0.1%) + 平均余命の伸び率(▲0.3%・定率)
→ ▲0.2%(2026年度の場合)
最終的な改定率
+2.1%(賃金変動) - 0.2%(マクロ経済スライド) = +1.9%
これが2026年度の国民年金(老齢基礎年金)の実際の増額率です。

厚生年金(報酬比例部分)は2025年の制度改正で調整率が1/3に緩和され、▲0.1%になりました。

マクロ経済スライドの導入のPoint

  • 現役世代が減ると、保険料収入が減る
  • 平均寿命が延びると、1人あたりの受給期間が長くなる
  • そのまま物価・賃金に完全連動させると、将来の年金財政が破綻しかねない

→ だから給付を少しずつ抑えて、現役世代の負担を重くしすぎないようにしているのです。

結果として、所得代替率(現役世代の手取り収入に対する年金の割合)は徐々に低下します(現在約61% → 将来50%前後へ)。

名目額は下が離ません(前年より少なくなることはない)
未調整分は「キャリーオーバー」(翌年以降に繰越)されます

2023年度以降は4年連続で発動しており、実質的な購買力は物価上昇に完全に追いついていません
国民年金(基礎年金)への影響が特に大きく、調整期間は2057年頃まで続く見通しです

まとめとチェックポイント

  • 2026年度は満額7万円台突破の朗報ですが、実質購買力は物価上昇に完全には追いついていません。
  • ご自身の受給額は生年月日・納付期間で変わります。ねんきんネットや「ねんきん定期便」で今すぐ確認を!
  • 詳細は日本年金機構公式サイト(nenkin.go.jp)や厚生労働省発表資料で最新情報をご確認ください。
  • 未納分がある方は、追納を検討する絶好のタイミングです。追納期限は10年以内(一部特例あり)なので、早めにシミュレーションをおすすめします。

参考
厚生労働省「令和8年度の年金額改定について」(2026年1月23日発表)
日本年金機構「令和8年4月分からの年金額等について」

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